スキー用の手袋をどうやってお手入れすればいいか知っていますか?
雪の中で使う手袋は、どうしても汚れたりニオイが気になったりしますが、間違った方法で洗うと傷みやすくなってしまいます。
「スキー手袋は洗濯機で洗うのはNG」と言われるのは、きちんとした理由があるからです。
うっかり洗濯してしまっても、慌てなくて大丈夫です。
この記事では、なぜ洗濯機で洗ってはいけないのか、カビや臭いが気になるときにどうお手入れすればいいのか、手袋の裏表を直すコツや乾かし方まで詳しく説明しています。
さらに、革のスキー手袋がボロボロにならないための注意や、クリーニングの料金の目安も紹介しています。
スキー手袋を長く使いたい方は、ぜひ読んでみてください。
スキー用手袋が洗えない理由とその対処法
スキー用手袋を洗濯してはいけないワケ
スキー用の手袋は、雪の中でも手をしっかり守れるように、特別な素材や構造で作られています。だからこそ、普通の洗濯ではトラブルが起きやすくなります。
たとえば、防水のための薄い膜が手袋の内側についていることがあります。これが洗濯機で回されると、こすれたり引っ張られたりして壊れやすくなります。防水性が落ちてしまうと、手袋の中に水がしみ込みやすくなり、スキー中に手が冷たくなってしまいます。
それだけではありません。手袋に使われているナイロンやポリエステル、革などの素材も、水や熱に弱いことがあります。特に革は濡れると固くなったり割れたりしやすいですし、合成繊維も高温で縮んで形が変わることがあります。これでは、せっかくの手袋が使いにくくなってしまいます。
中に入っている綿も注意が必要です。洗濯機で回すと中綿が偏ったり、つぶれて保温力が下がってしまうこともあります。
このように、スキー用手袋は普通に洗ってしまうといろいろな問題が起こりやすいので、製品に書かれている注意書きをよく読んで、必要なら専門のお店にお願いするのが安心です。
素材に合わせた手袋のお手入れ方法
スキー用手袋は素材ごとに扱い方が違います。正しいお手入れをすれば、長く気持ちよく使えます。
ナイロンやポリエステルの手袋
このタイプの手袋は比較的扱いやすいです。
軽い汚れなら、ぬらしたやわらかい布でふくだけでOK。ひどい汚れがあるときは、ぬるま湯に中性洗剤を少し入れて、汚れた部分だけ優しく手で洗いましょう。
終わったら、風通しのいい場所でしっかり乾かします。洗濯機や乾燥機は避けてください。中の素材が壊れたり縮んだりすることがあります。
革の手袋
革は水が苦手です。
全体を水につけたり、洗剤で洗ったりするのはNGです。軽く汚れている部分は、革用のクリーナーでやさしくふき取るようにしましょう。そして保湿クリームで仕上げてあげると、革のやわらかさが保てます。
乾かすときは直射日光を避けて、日陰の風通しがいい場所で干してください。
ゴアテックスなどの防水素材
ゴアテックスのような高性能素材は、水に長くつけるのではなく、しぼった布でポンポンとたたくようにして汚れを取るのがポイントです。
洗ったあとは、防水スプレーを使って防水機能を保ちましょう。ときどきスプレーをかけ直すことで、雨や雪でも快適に使えます。
どの素材も、お手入れ前にはラベルをチェックして、素材に合った方法を選ぶことが大切です。ていねいに扱えば、手袋は長く大活躍してくれますよ。
洗濯機でうっかり洗ってしまったときの対応方法
もしスキー用の手袋を誤って洗濯機で洗ってしまった場合でも、すぐに適切な処置をとれば、ダメージを抑えられるかもしれません。ここでは素材ごとに応じたケアの方法を紹介します。
まず最初に、洗ったあとの手袋の状態をしっかりチェックしましょう。
縮んでいないか、表面に異常がないかを見て、次のステップに進みます。
ナイロン・ポリエステル素材の場合
これらの素材は比較的強いので、形が崩れていなければそのまま自然に乾かします
。乾燥機は使わず、風通しの良い場所でしっかり乾かしてください。乾いた後は防水スプレーで防水機能を補うと安心です。中綿が偏ってしまったときは、手でそっとならして整えましょう。
革素材の手袋の場合
革の手袋は特に扱いに注意が必要です。
洗った直後は、やわらかい布で水気を取り除き、日陰で自然乾燥させます。ドライヤーやストーブなどで急いで乾かすと革が傷むので避けましょう。
乾燥した後は革用のクリームで保湿し、割れやゴワつきを防ぎます。もし革が硬くなってしまった場合は、専門店に相談するのもひとつの方法です。
防水・透湿性のある手袋の場合
防水機能が弱まっている可能性があるので、しっかり乾かした後に防水スプレーでコーティングを施しましょう。中綿がかたよっている場合は、手でやさしくほぐして元に戻します。
もしも洗濯の影響で手袋がひどく傷んでいたら、今後使っても大丈夫かを一度確認してください。
修復が難しい場合は、プロのクリーニング店に持ち込むか、新しい手袋を検討してもよいでしょう。
手袋のニオイが気になったときのお手入れ方法
スキー用の手袋は長時間使っていると、汗や湿気でニオイが気になることがあります。
放っておくと雑菌が増えてしまう原因にもなるので、早めにケアしておきましょう。
表面の汚れをきれいにする
まずは手袋の外側についた汚れを落とすところから始めます。
やわらかい布やブラシを使って、軽くこすってください。汚れがひどいときは、中性洗剤をぬるま湯で薄めた液を布につけて、気になる部分をふき取りましょう。
ただし、水を直接かけると手袋の機能に影響が出る可能性があるので注意が必要です。
重曹でニオイ対策
おうちにある重曹を使えば、簡単にニオイを抑えることができます。
ビニール袋に手袋と重曹を入れて、一晩置いておくだけでOK。重曹がニオイの原因を吸い取ってくれます。
翌朝になったら、重曹をはたいて落とし、風通しの良い場所でしっかり乾かしましょう。
中綿がニオイの元になっている場合
中の綿部分にニオイが残っているときは、そこを重点的にケアします。中性洗剤で軽く部分洗いをして、タオルで水分を吸い取ります。
その後、陰干ししてしっかり乾かします。乾燥が足りないと、ニオイがぶり返すことがあるので、扇風機などで風を当てるとより効果的です。
強い洗剤や漂白剤は、手袋の素材を傷めることがあるので使わないでください。
ニオイが気になってきたら、早めに対処することが長持ちさせるコツです。
定期的にお手入れして、快適に使いましょう。
スキー用手袋にカビができたときの対処法
スキー用の手袋にカビが生える主な理由は、湿ったまま放置したり、風通しの悪い場所にしまったことが原因です。
カビを見つけたら、放置せずに早めにお手入れをすることで、また使える状態に戻せる可能性があります。
表面にカビがついているとき
カビが表面にうっすら出ている程度であれば、まずは乾いたやわらかい布でやさしくふき取りましょう。そのあとに、アルコールが入った除菌スプレーを使ってふくと、カビの原因菌を減らすことができます。
ただし、手袋が革でできている場合はアルコールが革を傷めることがあるので、革用のクリーナーを使ってお手入れしましょう。
手袋の中にカビが出ているとき
中までカビが広がっている場合は、しっかりとしたケアが必要です。中性洗剤をぬるま湯にとかし、やわらかい布で内側を軽くふいてから、タオルなどで水気を取ります。
そのあと、風通しの良い日陰でしっかり乾かしてください。水分が残っていると再びカビが出ることがあるので、完全に乾かすのが大事です。
カビを防ぐための保管のコツ
スキー用の手袋を長持ちさせるためには、使ったあとにきちんと乾かしてから、通気性の良い場所で保管することが大切です。
オフシーズンには、乾燥剤を入れてチャック付きの袋などに入れておくと湿気対策になります。ときどき様子を見て、カビやニオイがないか早めにチェックするようにしましょう。
革のスキー手袋がボロボロになる原因と防ぐ方法
革で作られたスキー手袋は、しっかりお手入れすれば長持ちしますが、手をかけずに使い続けると、表面が割れたり変色したりして使えなくなることがあります。
ここでは、革の手袋が傷みやすくなる原因を紹介します。
乾きすぎや湿気の影響
革は乾燥しすぎるとひび割れたり固くなったりします。特に冬の乾いた空気にさらされると、革のやわらかさがなくなってしまいます。
一方、湿度が高いところに長く置くと、革が湿気を吸ってカビやゆがみの原因になります。保管するときは、湿度のバランスに気をつけましょう。
水や洗剤によるダメージ
革は水に弱いため、ぬれてしまうと硬くなってしまいます。
また、洗剤や強い薬品が革に付くと、表面がはがれたり色が落ちることもあります。水にぬれてしまった場合は、やさしくタオルで水気を取って、自然に乾かしたあとに革用クリームでしっかり保湿するとよいでしょう。
乾燥機や直射日光での乾燥は避けてください。
擦れや日差しによる傷み
スキー中は手袋が雪や板にこすれることが多く、日差しもあたるので、だんだんと表面が薄くなったり、色が変わったりしてしまいます。
とくに紫外線は革にとって大敵で、繰り返し浴びることで革がもろくなり、最終的に破れたりボロボロになることがあります。
革製の手袋を長く使いたい場合は、こまめに革用のクリームで保湿したり、専用のクリーナーでお手入れをすることが大切です。使い終わったらしっかり乾かし、そのあとでクリームをなじませ、風通しのいいところにしまってください。
きちんと手をかけることで、革の手袋はずっときれいなままで使えます。
スキー用手袋は洗えなくてもできる!正しいお手入れのやり方
スキー用手袋の乾かし方と気をつけたいこと
スキーで使った後の手袋をそのまま放置してしまうと、カビやニオイの原因になったり、手袋が傷んでしまうことがあります。しっかりと乾かすことで、手袋を快適に長く使うことができます。
ただし、乾かし方を間違えると縮んだり防水機能が落ちることもあるので注意が必要です。
やさしく自然に乾かすのが基本
手袋がぬれているときは、まずタオルで軽く押さえて水分を取ります。そのあとは直射日光を避けて、風通しの良い日陰で自然に乾かすのが安心です。
乾燥機やストーブの前など高温になる場所は避けてください。とくに革素材は熱で固くなってしまうことがあります。
中の綿までしっかり乾かす
外側が乾いていても、中の綿に水分が残っていると、雑菌が増えてしまうことがあります。扇風機などを使って、内側にも風を送るとしっかり乾かせます。
干すときは、手袋の指先を下にすると水分が自然と抜けやすくなります。
最後に防水スプレーで仕上げ
完全に乾いたら、防水スプレーをかけておくと、水をはじきやすくなり汚れも付きにくくなります。革の手袋には、専用の防水スプレーを使ってください。
素材に合ったスプレーを使うことで、手袋の機能をしっかり守れます。
急いで乾かそうとして高温で無理に乾かすと、生地が傷むことがあるので、ゆっくりと時間をかけて乾かすのが長持ちさせるコツです。
裏返ってしまったスキー手袋を正しく戻す方法
スキー手袋を脱いだとき、内側が裏返ってしまうことはよくあります。
けれども、焦って無理に直そうとすると中の綿が片寄ってしまったり、形が崩れることがあります。きれいに直すためのコツを紹介します。
指の先から順番に戻す
手袋が裏返ってしまったときは、指先から少しずつ戻していきます。指の部分を優しくつかんで、ゆっくりと元の形に戻していくのがポイントです。
一気に引っ張ってしまうと中の綿がねじれてしまうことがあるので、焦らずに丁寧に作業しましょう。
中の綿を整える
手袋の形を戻したあと、中綿が片寄っていたら、軽くたたきながら形を整えてください。
指の形やフィット感が崩れたままだと、使ったときに暖かさが下がったり、着け心地が悪くなってしまいます。
乾いてから作業するのが安全
手袋がぬれている状態で直そうとすると、素材が傷みやすくなります。しっかり乾かしてから裏返しを直すと、スムーズに元に戻せて手袋も傷みにくくなります。
特に革製の手袋は、濡れたまま引っ張ると革がのびたり変形することがあるので要注意です。
裏返しを直したあとは、防水スプレーで仕上げておくと、次に使うときも安心して使えます。普段からていねいに扱うことで、手袋を長くきれいな状態で使い続けられます。
スキー用手袋のクリーニング料金と頼むときのポイント
クリーニングに出すときの料金目安
スキー用の手袋は家庭で洗うのが難しいため、専門のクリーニングを利用するのもひとつの方法です。値段は手袋の素材やお店によって変わりますが、目安としては1,500円〜3,000円ほどかかることが多いです。
ナイロン製のものは比較的安く済みますが、革や高機能素材を使った手袋は、特別なケアが必要なため少し高くなることがあります。
さらに、防水加工や撥水仕上げが追加されると、別料金になることもあるので、あらかじめ確認しておくと安心です。
お店を選ぶときのチェックポイント
手袋の素材に合った取り扱いができるお店を選ぶことが大切です。とくに防水機能を残したままきれいにしてくれるかどうか、革製の場合は専用の手入れをしてくれるかも確認しておきましょう。
また、スキーのオフシーズンになると割引を行っているお店もあるので、少しでも費用を抑えたい方はそのタイミングを狙うのがおすすめです。
預ける前の準備も大事
クリーニングに出す前に、手袋にどんな汚れがついているのかを自分でチェックして、伝えておくと仕上がりが良くなります。大きな汚れはあらかじめ軽くふき取っておくと、よりきれいに仕上がることがあります。
戻ってきた後は、防水スプレーでの仕上げも忘れずに。プロに定期的にメンテナンスを頼むことで、手袋の機能が保たれ、長く快適に使えます。
来シーズンに気持ちよく使うためのスキー手袋のしまい方
スキーシーズンが終わったら、スキー用手袋をきちんと片付けておくことで、次に使うときも快適な状態を保つことができます。
ここでは、長期間しまっておくときのポイントを紹介します。
しっかり汚れを落として、よく乾かす
しまう前には、まず表面の汚れをふき取り、内側までしっかり乾かすことが大切です。水分が残ったままだとカビが出たり、生地が弱くなったりします。
特に指先は乾きにくいので、扇風機などを使ってしっかり乾かすようにしましょう。
防水や保湿ケアを忘れずに
完全に乾いた後は、防水スプレーをかけたり、革製なら専用のオイルを使って保湿ケアをしましょう。これにより、手袋が傷みにくくなり、来シーズンも快適に使えます。特に革は乾燥すると割れやすいので、やさしく手入れしてあげてください。
保管場所にもひと工夫を
手袋をしまうときは、直射日光の当たらない、風通しの良い場所を選びましょう。暑すぎたり湿気の多いところだと、手袋の素材が変色したりカビが出ることがあります。
保管にはビニール袋ではなく、布製の袋や通気性のあるケースがおすすめです。
乾燥剤や防虫剤を使って安心をプラス
長期間しまっておく場合は、乾燥剤や防虫剤を一緒に入れておくと安心です。ただし、防虫剤のにおいが手袋に残ることがあるので、量には注意してください。
日頃の手入れとあわせて、保管方法を工夫することで、お気に入りの手袋を長く使うことができます。
たまに様子を見て、状態に変化がないかチェックするのもおすすめです。
まとめ
スキー手袋を長く快適に使うには、洗濯機で洗わないことが大前提です。最後に注意すべきポイントを振り返ってみましょう。
- 洗濯機を使うと防水性や通気性が落ちてしまう
- 摩擦で生地が傷みやすくなる
- 型崩れの原因になる
- 撥水加工が弱くなる
- 縫い目から水がしみ込みやすくなる
- 乾燥機の熱で形が変わることがある
- 革の手袋は割れやすくなる
- 中綿がかたよって保温力が下がる
- 接着部分がはがれることがある
- ファスナーが壊れやすくなる
- 防寒性能が落ちることもある
- 乾ききらないとカビが発生しやすい
- 表面が固くなり使い心地が悪くなる
- 洗剤が残って肌トラブルの原因になる
-
正しいお手入れをすれば長く使える
この記事を参考にして、スキーシーズンをもっと楽しく、快適に過ごしてください。