電子レンジの500Wや600Wという表示は、何度になるかをそのまま表しているわけではありません。
これは加熱に使われる電力の強さを示していて、温度そのものを示しているわけではないのです。
電子レンジはオーブンのように外から熱を加えるのではなく、食品の中の水分に働きかけて内側から温めるしくみになっています。
そのため、「〇〇度」といった温度には置きかえられません。
この記事では、500Wや600Wの設定がどのような加熱に使われるのか、どんな料理に向いているのかをわかりやすくお伝えします。
あわせて、電気代の目安や、電子レンジで使える容器の選び方も紹介していきます。
電子レンジの500W・600Wは温度じゃない?その違いと使い分け方
電子レンジの500Wや600Wという設定は、何度になるのかという温度ではありません。
これは加熱の強さを示すもので、食品の温度を直接表しているわけではないのです。
電子レンジは、食材の中にある水分を動かして、その摩擦の力で内側から温める仕組みになっています。
オーブンのように外から熱を加える機械とは、加熱方法がまったく異なります。
そのため、電子レンジのワット数は「温度」ではなく、「加熱パワーの目安」として考えるのが適しています。
加熱する物や量に合わせてワット数を調整すれば、ムラなくおいしく温めることができます。
ワット数が違うと加熱時間も変わる
電子レンジのワット数は、どれくらい強く・早く温めるかに関係しています。
数値が大きいほど加熱力が強く、調理時間も短く済みます。
たとえば、600Wで1分加熱した場合、同じ状態にするには500Wでは約1分12秒かかります。
また、600Wで3分かかる調理なら、500Wだと約3分36秒ほど必要になります。
ワット数を変えるときは、単純に「少し長めに加熱する」ことを意識すると失敗しにくくなります。
500Wと600Wで電気代はどれくらい違う?
電子レンジを毎日使うと、ワット数の違いによって電気代にも差が出ます。
仮に1kWhあたりの電気料金を27円とし、毎日10分間使ったとすると、1ヶ月分の電気代は次のようになります。
- 500Wを1日10分使うと、1ヶ月でおよそ2.5kWh使い、電気代は約67.5円。
-
600Wなら、1ヶ月で約3.0kWh使い、電気代は約81円。
その差は1ヶ月で13.5円ほどです。
ただし、600Wは加熱が早いので使用時間が短くなり、その分、実際の電気代の差はさらに小さくなることがあります。
電子レンジ500W・600Wに向いている料理とは?
電子レンジはワット数によって加熱の強さが変わります。
それぞれの特徴を理解しておくと、料理に合った設定で美味しく仕上げることができます。
- 500Wはやさしくゆっくり温めたいときに向いています。
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600Wは早くしっかり温めたいときにぴったりです。
500Wで作ると美味しくなる料理
- オートミール:ふっくらやさしく仕上げるのにちょうど良いです。
- チーズソース:高温になりすぎず、なめらかに溶けます。
- チョコレート:焦げずにゆっくりとろけます。
- フルーツコンポート:果物の味を引き出しながらじっくり煮ることができます。
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クリーム系スープ:ムラなく温まり、焦げつきを防げます。
600Wでサッと作れる料理
- ベーコン:外はカリカリ、中はジューシーに仕上がります。
- 冷凍ピザ:表面はカリッと、中はもちっと温められます。
- 冷えたパスタ:早く温まり、食感もほどよくなります。
- 味噌汁やスープ:短時間でアツアツに。
-
冷凍野菜:すぐに解凍でき、栄養素の損失も抑えられます。
加熱する料理に合わせてワット数を使い分けることで、仕上がりがぐんと良くなります。
電子レンジ用の容器、どう選ぶ?
電子レンジで使う容器は、耐熱性がとても大切です。
耐熱温度が100~120度の容器は、電子レンジでは使わない方が安心です。
140度以上の耐熱性がある容器を選ぶようにしましょう。
プラスチック容器(ポリプロピレン)の注意点
ポリプロピレン製の容器(耐熱温度140度)は、基本的には電子レンジでも使えます。
ただし、油が多い料理を長時間温めると、食品の温度が200度近くになることもあるため注意が必要です。
たとえば、揚げ物などを温めるときは、様子を見ながら短めに加熱してください。
耐熱ガラス容器の良さ
耐熱ガラスは、熱に強く、急な温度変化でも割れにくい特徴があります。
中には、120度〜400度の温度差に対応しているものもあり、熱湯を入れても安心して使えます。
見た目もすっきりしていて、そのまま食卓に出せるのも嬉しいポイントです。
まとめ
電子レンジを使うときは、温める食べ物に合わせてワット数を選ぶことがとても大事です。
同時に、電子レンジに適した容器を使うことも忘れてはいけません。
ワット数が高いほど早く強く温められますが、加熱の強さに合った容器を使わないと、容器が傷んでしまうことがあります。
とくに油が多い料理は温度がかなり高くなるため、注意が必要です。
たとえば、140度まで使えるプラスチック容器は、あまり油を含まない料理向きです。
一方、耐熱ガラス容器は急な温度変化にも強く、油を含む料理でも安心して使えることが多いです。
電子レンジを上手に使うには、料理の種類に合ったワット数の設定と、安全に使える容器の選び方がポイントになります。