春が終わりかけるころから夏にかけて、日本では雨が多くなる季節があります。
この雨の多い期間を梅雨と称します。
梅雨の時期はしばしば曇りがちで、長い雨が降り続けることもありますが、その風情は人によって好まれることもあれば、うっとうしいと感じることもあります。
梅雨入りと梅雨明けのタイミングはどうやって決まるのでしょうか？
ここでは、梅雨についての基本的な情報や、各地の標準的な気象データについて説明します。
梅雨について
梅雨は春の終わりから夏が始まるまでの期間、日本の多くの地域で発生する気象現象です。
この時期にはしばしば雨が降り、曇りが多くなり晴れ間が少なくなります。
通常、この季節は約1か月から1か月半続きます。
梅雨の始まりを「梅雨入り」といい、終わりを「梅雨明け」と言います。
梅雨は沖縄から始まり、徐々に九州、四国、本州、東北地方へと影響が広がります。
この現象は梅雨前線が主な原因で、この前線は太平洋高気圧とオホーツク海高気圧の動きによって形成されます。
太平洋高気圧は南側の海上で発生する暖かく湿った高気圧で、オホーツク海高気圧は北側で発生する冷たく湿った高気圧です。
これら二つの高気圧が日本周辺で相互作用することにより、空気が上昇し雲が多くなり、結果的に長期にわたる雨が降ることになります。
梅雨前線は東西に長く伸び、停滞することもしばしばです。
そして、オホーツク海高気圧の力が弱まると梅雨前線も北へ移動し消え去り、そうすることで梅雨明けがやってきます。
梅雨入りと梅雨明けのタイミングの決め方
梅雨の始まりと終わりを示す「梅雨入り」と「梅雨明け」について、多くの方がその定義に興味を持っています。
特に梅雨入りに関しては、何日続く雨や1日の雨量で梅雨入りかどうかを判断する明確なルールがあるのか気になるところです。
しかし、これに対する厳密な基準は設けられていません。
気象庁が発表する速報を通じて梅雨入りと梅雨明けが発表されます。
この速報は過去のデータと将来の予報を基にして作成され、公にされる情報です。
具体的には、過去の天気の流れとこれから1週間の予報が重視されます。
ただし、梅雨入り宣言後に晴れ間が続くこともあり、「本当に梅雨入りしたのか」と疑問に思うことがあるかもしれません。
天気の予測が常に変わりやすいため、確実な予測は難しいです。
以前は「梅雨入り（明け）宣言」を使っていましたが、現在は使われず、速報値として「梅雨の時期の気象情報」が用いられています。
梅雨が終わると、気象庁はその期間の天候を再評価し、梅雨入りおよび梅雨明けの正式な日付を確定します。
この確定日は、元の速報日から変更されることがあります。
このプロセスは、天気の不確実性に対応し、より正確な情報を提供するために行われます。
日本各地の梅雨入りと梅雨明けの平均日
日本の各地域で梅雨の始まりと終わりの日付は異なります。
ここでは、地域別の梅雨入りと梅雨明けの平均日を紹介します。
- 関東甲信地方では梅雨入りが6月8日前後、梅雨明けが7月21日前後です。
- 沖縄では梅雨入りが5月9日前後、梅雨明けが6月23日前後です。
- 九州南部では梅雨入りが5月31日前後、梅雨明けが7月14日前後です。
- 四国地方では梅雨入りが6月5日前後、梅雨明けが7月18日前後です。
- 近畿地方では梅雨入りが6月7日前後、梅雨明けが7月21日前後となっています。
- 東北地方南部は梅雨入りは6月12日前後、梅雨明けが7月25日前後です。
- 東北北部は梅雨入りは6月14日前後、梅雨明けは7月28日です。
まとめ
梅雨入りと梅雨明けの正確な日付を予測することは、自然の変動が大きいため困難です。
そのため、気象専門家も正確な予測には常に挑戦しています。
梅雨が過ぎ去ると、その年の気象データを詳細に振り返り、いつ梅雨が始まり終わったのかを正確に判断することができます。
梅雨は頻繁に雨が降り、気温も高いため、この期間中は健康管理に特に注意が必要です。